周囲の気配や隊列の雰囲気、遠くで装備を整える仲間たちの動きまで、
すべてが⼀瞬にして戦場の⼀部のように感じられる。
⼼臓が強く⿎動し、全⾝に戦闘への期待がみなぎった。
凛の横に⽴つ陽⽃は不安を抑えきれない様⼦でそわそわと背伸びをし、
周囲を⾒回した。
澄華はその姿を横⽬に、呼吸を整え、静かに⼼を引き締める。
いよいよ、地上への出発――。
澄華は陽⽃の隣を歩きながら、無意識に軽く肩を揺らし、歩幅を
陽⽃に合わせていた。
宿舎を出てから広がる空気は、まだ冷たい春先の⾵が混ざっていたが、
澄華の胸には熱い期待が渦巻いていた。
その時、不意に右側から声がかかった。
「緊張するよねぇ……!
太陽ってどのくらいあったかいんだろうね……!」
澄華は振り向き、少しキョトンとした顔で声の主を⾒る。
視線の先には、柔らかな笑みを浮かべた少⼥が⽴っていた。



