空を知らない君に贈る唄


「わりぃ。澄華、スクランブルエッグかなんか作ってくんねぇ?」

「え?」

⼀瞬⼾惑ったものの、思わず頷いてしまう。

「あ、うん……」

陽⽃から⼿渡された卵を受け取り、澄華は⼩さめのボウルを

取り出した。

⼀つ⽬、コン、と割る。

⼆つ⽬、コンコン。

三つ⽬も、コンコンコン。

殻を捨て、作業を終えてから――

「……?」

何気なくボウルを覗き込んだ陽⽃が、固まった。

数秒の沈黙。

そして、

「……そんなことある!?!?」

叫び声がキッチンに響き渡る。

澄華が不思議そうにボウルを⾒る。

中には――

割れた⻩⾝と⽩⾝に絡みつく、無数の卵の殻。

しかも、ほとんどすべてが細かく砕けた破⽚だった。

「ハア゛ァァァァァァ!?!?!?!」

陽⽃は頭を抱え、絶叫する。

「なんで!?どうして!?三つ割って三つ全部殻⼊るとかある!?

しかも全部細かい!!」

床に膝をつき、そのまま崩れ落ちる。