空を知らない君に贈る唄


「もお〜〜!!」

陽⽃は半ば⼋つ当たり気味に叫びながら、フライパンの中にあった

“ベーコンだったもの”を菜箸で端へ追いやった。

⿊く炭化したそれは、もはや⾷材というより事故現場の残骸である。

「……」

凛は何も⾔わず、視線だけを逸らしている。

陽⽃はその様⼦に⼀層腹を⽴てたのか、勢いよく振り返った。

「班⻑はもう何もしないで⽴っててください!!!!」

びしっと指を差し、軽く睨みつける。

「……」

凛は⼀瞬だけ眉を動かしたが、反論することもなく、

無⾔で⼀歩キッチンから下がった。

(従った……)

澄華が内⼼で驚いていると、陽⽃はすぐにこちらへ向き直り、

空気を切り替えるように⾔った。