空を知らない君に贈る唄


「……起きたのか。」

「……はい。」

短い会話。

それだけで、澄華は察した。

――触れるな、という合図。

陽⽃はそんな空気などお構いなしに、炭化ベーコンを指差して叫ぶ。

「これ、どうすんすか!!」

凛は、フライパンを⾒下ろし、少しだけ間を置いてから。

「……新しく焼けばいいだろ。」

「もうベーコン残り⼀枚っすよ!!」

「……」

「……」

凛はゆっくりと視線を逸らした。

澄華は、その様⼦を⾒て、ほんの⼀瞬だけ。

――⼝元が、緩みそうになるのを、必死に堪えた。