空を知らない君に贈る唄


「……班、⻑……っ?」

息をつく間もなく、凛は澄華を抱えたまま旋回し、⽊々を縫うように

着地のポイントを探す。

澄華の胸に伝わる振動は、凛の覚悟そのものだった。

近くの地⾯に着地した凛。

その腕から⽴ち上がろうとした澄華だったが、視界がぐらりと揺れ、

⾜に⼒が⼊らなかった。

まるで地⾯が波打っているように感じる。

「……っ」

⼀歩踏み出そうとして、よろける。

次の瞬間、⾝体が傾き、そのまま倒れかけた澄華を、凛が素早く腕を

伸ばして⽀えた。

「遅くなって悪かった」

低く、しかしはっきりとした声。

凛の腕の中で、澄華はかろうじて⽴っていた。

「すみ……ませ……」

喉がひどく渇いていて、声が途切れ途切れになる。

その⾔葉に、凛は澄華を⼀瞥し、短く息を吐いた。

「……よくここまで持ちこたえたな」

その⾔葉に、胸の奥が少しだけ、じんとした。

だが澄華は、すぐに⾸を横に振る。

「い、え……まだ……やれ、ます……。⼤、丈夫……です……」

凛の腕から離れようと、必死に⾝を引く。