空を知らない君に贈る唄


時川の⾝体は、あちこちが⾎で濡れていたのだ。

額から流れる⾚。

攻撃を⾷らったのか、固く閉じられた右⽬。

制服の裂け⽬から滲む暗い⾊。

⾎の気が引いたように顔は⻘⽩く、唇はかすかに震えている。

呼吸は荒く、浅い。

⼀息ごとに、肩が⼤きく上下していた。

――無理をしている。

いや、限界をとうに超えている。

医学の知識なんてない澄華でも、はっきりと分かった。

今この瞬間に倒れてもおかしくない状態だ。

それほどまでに、時川は追い詰められていた。