空を知らない君に贈る唄


澄華は、⾛り出した。

磁極砲の弾数には限りがある。

こんな移動で使うわけにはいかない。

全⼒で、地⾯を蹴った。

跳躍装置のレバーを軽く引き、⽊の根を⾶び越え、枝を踏み台にして

⾝体を前へと投げ出す。

着地の衝撃が膝に突き刺さったが、それでも、⽌まらなかった。

枝が頬を掠め、葉が視界を遮る。

それらを強引に突き抜けながら、澄華は前を⾒据えた。

――時川のもとへ。

怖さが完全に消えたわけじゃない。

今も⼼の奥は震えている。

それでも。

(格好悪くたっていい)

(無駄になってもいい)

(……誰かに誇れる、⾃分でいたい)

先程の問いの答えは、もうはっきりしていた。



――良いわけ無い!!!!!!!



その想いを胸に、澄華は⾛り続けた。

戦場の中⼼へ。

逃げ場のない現実の中へ。

⾃分が“何者であるか”を、証明するために。