空を知らない君に贈る唄


世界が輪郭を取り戻す。

⽿鳴りが⽌み、遠くの⾳がはっきりと聞こえるようになる。

異喰の⾜⾳。

⽊々が折れる⾳。

どこかで誰かが叫ぶ声。

そして、⾃分の――⼼臓の⾳。

ドクン、ドクンと、確かに鳴っている。

抑えようとしても⽌まらなかった⼿の震えが少しずつ収まっていき、

凍りついていた指先に感覚が戻る。

先程まで、あれほど怖くて仕⽅なかった⼼。

罪悪感で押し潰されそうだった⼼。

逃げ出したいと泣き叫んでいた⼼。

それらがゆっくりと形を変えていくのを、澄華ははっきりと感じた。

(……このままで、いいの?)

⾃分⾃⾝に問いかける。