胸が⼤きく上下する。 呼吸は浅く、早い。 まるで、肺に空気が⼊っていかないかのように。 視線は虚空を彷徨い、焦点が合っていない。 ――助けた。 確かに、⻯也は助けられた。 それでも、その代償として失われたものの⼤きさに、 ⼼が追いついていなかった。