空を知らない君に贈る唄


胸が⼤きく上下する。

呼吸は浅く、早い。

まるで、肺に空気が⼊っていかないかのように。

視線は虚空を彷徨い、焦点が合っていない。 ――助けた。

確かに、⻯也は助けられた。

それでも、その代償として失われたものの⼤きさに、

⼼が追いついていなかった。