空を知らない君に贈る唄


――そして、⾒てしまった。

⻯也と伊織の、すぐ背後。

そこに、いつの間にか“⽴っていた”。

異喰が。

気配も⾜⾳もなかった。

ただ、最初からそこに存在していたかのように。

⻯也と伊織も遅れて異変に気づき、ゆっくりと頭上を⾒上げる。

その瞬間、⼆⼈の表情が完全に凍りついた。

理解してしまったのだ。

⾃分たちが、どれほど無防備だったかを。

――次の瞬間。

伊織が、動いた。

「っ……!!」

叫ぶ暇もない。