ほんの少しだけ抜いた。 ――助かった。 そう、思ってしまった。 だが―――次の瞬間だった。 「――っ!」 陽⽃が、まるで雷に打たれたように、体を強張らせた。 瞳が⾒開かれる。 息を吸う暇もなく、喉が裂けるほどの声が空気を震わせた。 「お前ら逃げろぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!」 その叫びに引きずられるように、澄華は反射的に顔を上げた。