空を知らない君に贈る唄


そんな空気を、⾵が静かに引き裂いた。

頭を掻きながら、⻯也は困ったように苦笑した。

「……だから泣くなって」

声⾳は、できるだけ軽く。

まるでいつもの訓練後みたいに、何事もなかったかのように。

その⾜元で、伊織は座り込んだまま、顔を覆って泣きじゃくっていた。

嗚咽を堪えることもできず、肩を震わせ、⼦どもみたいに声を上げた。

「……良かっ、た……っ……死ん……じゃう…かと……!」

⻯也は何度か伊織の頭に⼿を置こうとして、やめた。

触れたら、何かが壊れてしまいそうな気がしたからだ。

その光景を⾒て、澄華はようやく、胸の奥に張りついていた⼒を、