空を知らない君に贈る唄


(⽴たなきゃ……なのに。なのに…………怖い。)

声は出ず、震える⼿で錐⼑を握り締めるだけだった。

そして――

⻯也が、おもむろに⼀歩、踏み出した。

その⾜取りは、明らかに不安定だった。

地⾯を踏みしめるたび、わずかに揺れ、今にも崩れ落ちそうになる。

それでも⻯也は⽌まらない。

膝を震わせながらも、無理やり⾝体を⽀え、⽴ち続けた。