約束を超えた先で、君を待つ。

***

翌日。

「月音ー、あそぼーぜー」

「うわ、本当に来た……」

朝ごはんを食べ終わってから一時間。本でも読もうとサイドテーブルから読みかけの小説を出したタイミングで病室の扉が開いた。

「はよ!」

「……おはよう」

「んだよ朝からテンション低いな!?」

「陽太くんのテンションが無駄に高すぎるんだよ」

「そうか? まぁいいや。今日は母さんが家から二つゲーム持ってきてくれたんだ。一緒にやろーぜ」

「え……。わたし、ゲームなんてほとんどやったことないんだけど……」

「いいからいいから! 操作なんてすぐ覚えるから大丈夫!」

無理矢理渡されたゲーム機を持ち、わたしのいるベッドの端に座った陽太くんに操作を教えてもらう。

「え、こう?」

「そうそう! うまいじゃん!」

「あぁ! なんかやられたよ!?」

「はっはー! それ俺ー!」

「はぁ!? なんなの酷くない!?」

「そういうゲームなんだよ! ほら月音! 前のやつにアイテムぶつけろ!」

「そんなこと急に言われてもわかんないよ!」

「こっちの横のボタン!」

「どこ!? 待って!? うそ、あぁもう負けたー!」

名前だけは聞いたことがあった有名なレーシングゲームで見事に最下位になったわたしと、そんなわたしにゲラゲラ笑いながら一位を自慢して馬鹿にしてくる陽太くん。

なんだか無性に悔しくて腹が立って、

「ちょっと! もう一回!」

「そうこなくっちゃ!」

その後も何度も陽太くんに勝負を挑む。