約束を超えた先で、君を待つ。

「大丈夫か? 手伝う?」

「いいよ別に。自分でできるし」

「そう?」

陽太くんに頷いて、わたしは自分のベッドにゆっくりと戻る。

ちょっと散歩しただけでも全身が重くてしんどい。足をベッドに戻すのも大変で、たったこれだけのことでものすごく時間がかかってしまう。

二年前はこんなんじゃなかったのにな。

確実に悪化している身体に鞭を打ち、数分かけて寝転がって目を閉じる。するとようやく落ち着けた気がして深く息を吐いた。

「そういえば月音って、どれくらい入院してるんだっけ」

「んー……三年くらい。なんで?」

「そういや今まで聞いたことなかったなと思って。でもそうか。あの時より一年も前から入院してんのか」

「そうだよ。まぁ何回か一時的な退院はしてるけどね。でも入院歴だけで言えば、陽太くんの大先輩だよ? もっと敬ってくれたもいいんだからね」

「ははっ、急に先輩ヅラし始めたじゃん」

ケラケラ笑う陽太くんとそのままくだらないことを話していると、散歩の疲れもありだんだん瞼が重くなってくる。

「月音? 眠い?」

返事が適当になったのか、陽太くんは私の顔を覗き込むように見つめてくるから、腕で顔を隠しながら一度頷く。

「ん……ごめん、ちょっと寝る……」

「うん。わかった。おやすみ」

陽太くんが布団をかけてくれて、わたしはそのままもう一度目を閉じる。あっという間に夢の世界に落ちていく中で、陽太くんがそっと頭を撫でてくれたような気がした。