約束を超えた先で、君を待つ。

***

「……落ち着いた?」

こくりと頷くと、陽太くんは腕の力を緩めてしゃがみ、わたしの目線より下に入る。

そして今度はわたしの手を両手でぎゅっと包み込んだ。

「月音。聞いて」

「……」

「俺、さっきずるいこと言った。ごめん」

「ずるいって……なにが……?」

やっと視線を上げると、優しい笑顔の陽太くんと目が合う。

わたしの顔を見て、陽太くんはそっと目尻を下げて微笑んでくれた。

「ずるいって言い方があってんのかもわかんないけどさ。……もう会いにくるのは最後にするって言ったこと」

「あ……」

「あれ、本心じゃないから」

本心じゃないって、どういうこと?

「俺、この一ヶ月間すごく楽しかった。足ケガして松葉杖になった時はどうしようかと思ったけどさ。ほら、今はもう杖無しで歩けるようになったよ」

「……うん」

「って、そんな話はどうでもいいんだ。えっと……ああああ、俺バカだからこういう時どうやって言ったらいいかわっかんねぇ!」

少しだけ手を離して頭を掻きむしる陽太くんに目を見開くと、陽太くんは少し考えたように目を閉じてから、もう一度わたしの手を握った。