約束を超えた先で、君を待つ。

「だから、何もできなかったなんて言わないでよ。わたしは、陽太くんがそばにいてくれれだけで力になってる。陽太くんが明るく笑ってくれてるだけで、わたしはたくさん力をもらってるんだよ」

「……っ」

「だからそんな責任感じなくていいの。陽太くんのせいで倒れたわけじゃない。それだけは絶対違うから。陽太くんが責任を感じて落ち込む必要はないんだよ」

伝われ。どうか伝わって。陽太くんが陽太くんとしてそこにいてくれるだけで、わたしは嬉しいんだよ。

目が覚めた時、一番に陽太くんの声が聞こえてどれだけ嬉しかったか。どれだけ安心したか。

だから、落ち込まないで。悩まないで。責任なんて、何も感じないで。ただ、そこにいて。

気が付けばわたしも泣けてきて、陽太くんより先に涙をこぼしてしまう。

「……ははっ、なんで月音が泣くんだよ」

「だって……陽太くんが泣きそうだから。もらい泣きしちゃったんだもん」

「うるせー、俺泣いてねーし」

「うそ! 涙目じゃん! 今にも泣きそうじゃん!」

「うるさいです俺は泣いてませんー」

わたしの目を隠すように手を出した陽太くんは、なにやらゴソゴソとしてから手を離す。

すると、目が赤いけれどいつものように明るく笑う陽太くんがいて。器用にわたしの涙を指で拭ってくれた。

あぁ。このままこんな平穏な日々が、ずっと続けばいいのに。毎日が夏休みだったらいいのに。

――この時までは、確かに幸せだった。