約束を超えた先で、君を待つ。

「うわぁ! なんか変な風に曲がったんだけど! 待って!? なんか飛んできたよ!?」

「ははっ、月音はヘタクソだな」

「うるさいな! 初めてなんだから仕方ないでしょ! むしろ手加減しなさいよ!」

「いやあ、それはやっぱり違うじゃん? あ、ほら月音またビリー」

「くっ……もう一回!」

「何回やっても同じだよー」

「うるっさい! 勝ち逃げとか許さないから!」

気が付けば盛り上がりすぎて、点滴の液交換に来てくれた看護師さんに

「いくら個室だからって、部屋の外まで響いてるわよ! 二人ともうるさい! ゲーム終わり!」

とこっぴどく叱られてしまった。

「ちょっと! 陽太くんのせいで叱られたじゃん!」

「俺のせい!? でも楽しかっただろ!」

「……そんなこと」

「月音も笑ってたくせに」

「え……わたしが?」

笑っていた? わたしが?

「あぁ。だから安心した」

陽太くんはニカっと笑うけれど、面と向かってそんなことを言われたら恥ずかしくて仕方ない。でも、確かにあんなに大きな声を出したのは久しぶりのような気がするし、楽しかったと思う。

「……陽太くん」

「ん?」

「ありがと。……ゲーム。楽しかった」

「ん。よかった。……まぁ叱られちまったけどな!」

「だからそれは陽太くんがうるさいから叱られたんだよ」

「ちげぇよ! 月音が叫んでたからだろ!?」

「なっ、わたしは叫んでないよ、陽太くんですー」
素直にお礼を言えばこうやってからかってくるんだから本当に嫌になる。だけど。

「またやろうな!」

「……うん」

今日のゲームはまたやりたい。そう思ってしまった。