怪異ハンター

「一体なにを怯えているの?」
輝が公衆電話へ向けて聞く。
「まだ忘れられたくない。まだ捨てられたくない」
悲痛な気持ちを繰り返す公衆電話の姿が次第に歪んでいき、気がつけば目の前に小さな老婆が背中を丸めて座っていた。
「老婆!?」
輝が驚いて自分の目を何度もこする。
けれどやっぱり、目の前にいるのは公衆電話ではなく、老婆だった。
「この怪異は随分長い間人間とかかわり合いを持ってきたみたいだな。その中で次第に人間としての姿を持つようになったんだろう」
座り込んだ老婆が悲しげに肩を震わせて泣いている。
その姿に輝の胸がチクチクと傷んだ。