怪異ハンター

そして路地の最奥まで来た時、あの公衆電話が立っているのが見えた。
姿形は昨日見たものと変わらないはずなのに、その存在感が異様に増していることに気が付いた。
「やっぱりそうだ。この公衆電話は強くなってる。早くどうにかしないと、手に負えなくなる」
拓はそう言うと両手を前に突き出して指先でひし形を作った。
そして腹の底から声を出す。
「心・狂」
その呪文を聞いた瞬間、公衆電話の中から女の叫び声が聞こえてきた。
輝はギョッとして後ずさりをしたけれど、拓はジッと我慢して印を解くことはしなかった。
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
女性の悲鳴のようだったそれは次第に怖い怖いと繰り返す言葉になっていった。