怪異ハンター

クスリもなければお薬手帳もない。
つまり女性は急に発作を起こして倒れるような病気は持っていないということだろう。
「人を呼んでくる!」
拓が近くのビルへ向けて駆け出す。
輝はその場に膝をついて女性の様子を見ながらゴクリと唾を飲み込んだ。
女性は本当に苦しそうで脂汗が浮かんできている。
「大丈夫ですよ。すぐに誰か来ますから」
輝がそう言うと女性が苦しげにうめき声を上げて輝へ視線を向けた。
その目は血走っていて、思わずそらせてしまいそうだった。
「あの……公衆電話が……言うことは絶対に……」
切れ切れに話す女性の手を輝は強く握りしめた。
「もうそれ以上しゃべらないでください!」