怪異ハンター

その視線はずっとスマホ画面を見つめていてふたりが前を歩いてくることに気が付いていない。
幸い拓が気が付いて横によけたから肩を少しぶつけたくらいで済んだけれど、こちらが気が付かなかったら人間同士で正面衝突を起こすところだった。
「拓、大丈夫?」
男性に肩をぶつけられてよろめいた拓に輝が駆け寄る。
「これくらい平気さ。それにしても、あっちもこっちもスマホを持った人ばかりだな」
ふと周囲を見回してみれば誰もがスマホを片手に握りしめて早足に歩き過ぎていく。
ここはビル街だからみんな次の仕事場へ向かうのに忙しいのだろうけれど、それにしてもひどい光景だった。
「ねぇ、私達もスマホを持つ?」