怪異ハンター

裕太が立ち止まったのはなにもない路地の一角だった。
車も人も通っていない寒々しい場所で、冷たい風の通り道になっているようだ。
「怪異の匂いがする」
拓が身構えて周囲を見回す。
今の所その姿は見えないけれど、いつどこから出現するかわからない。
すると拓がクスッと声に出して笑った。
「それはここから匂ってるんだよ」
そう言うとその場で足踏みをしてみせた。
裕太の足元にはマンホールがある。
拓がけげんそうな表情でしゃがみこんで鼻をヒクヒクさせた。
「本当だ! この中に怪異がいる!」
裕太が言う通りマンホールから怪異の匂いが滲み出している。
拓は数歩後退りし、輝も身構えた。