怪異ハンター

「なにも起きないね」
ホッとした様に輝が呟いた。
少し待ってみても空き地に変化は見られなかったのだ。
やはりここに怪異はない。
あるのは妙な噂だけみたいだ。
そう思って帰ろうとしたときだった。
不意に地響きを感じてふたりは同時に中腰になった。
「地震!?」
拓が叫ぶ。
だけど周りの電柱を確認してみても全く揺れていないし、家々も眠ったままで誰も起き出して来ない。
こんなこと、あるはずない!
輝の額から冷や汗が流れたとき、空き地の下からズズズッと這い出すようにしてあの店が姿を見せたのだ。
それは昼間とは違い真っ赤なケムリをまとい、拓は顔をしかめて鼻に手を当てた。
「怪異の匂いがする!」