1945年、君を迎えに行く。





一旦不時着し、そして飛行場へと戻った俺たちは、もちろん上官に重い拳骨を食らう。

とくに機体トラブルでもない俺は、風間より1発多く殴られた。



「違うんです上官…!!鳥海さんの判断がなければ俺は機体を無駄にするところでありました…っ、鳥海さんは俺を助けてくれたのであります…!」


「…鳥海、確かおまえは心臓が悪いんだったか」


「………、」


「無理ならやめたっていいんだぞ。健常者と違って病人だからな、おまえは」


「……やります。すみませんでした」



怖かった。
死ぬことじゃない、敵艦に突っ込むことじゃない。

それ以上に、なんの志も意味もなく、死んでいく人生が怖かったんだ。



生きている意味も、特攻として死ぬ意味も理由も、俺には何もないのだと思ったら。



それから俺たちは数日間、訓練場に送られた。

そこは同じように飛べなかった兵士の根性を叩き直す場所だと言われており、仲間たちの間でも噂程度に囁かれていた収容所のような建物だった。



────……すべて戦争が悪いと、1度でもそう責めてみたい。