1945年、君を迎えに行く。





「俺たちは亀屋食堂に行ってくるが、おまえたちはどうする?」


「…俺たちは酒は飲めないからやめておく」


「わかった。…遺書、書いておけよ」



兵舎に残った、俺と風間。

他の仲間たちは軍指定食堂へと向かい、酒を求めてせめて最後の夜を楽しみに行った。


明日、日の出を拝む前に俺たちは出撃する。



「やっとこのときが来たぞ…。なあ、鳥海。ぜってえ敵艦を一直線に沈めてやるんだ」


「…ああ」


「洋子(ようこ)も驚くだろうなあ。俺が空を飛んで国を守る翼になるんだから…」



そうやって鼓舞しなければ、いけない。

自分をどうにか奮い立たせて、やってやるんだと、自信をつけなくてはいけない。


青白い顔で笑いかけてきた風間に、俺は好物でもある黒糖飴をひとつ、差し出す。



「っ…、靖国に行ったらよ、そんときは一緒に酒でも呑もうぜ。さすがにそこでは心臓が弱い鳥海も呑めるだろうし」


「…そうだな」