1945年、君を迎えに行く。





この国で兵士にならなくていい、なれない若者は、主に2つ。


ひとつは徴兵検査で引っかかるほどの病気や体格を持った不適者。

そしてもうひとつは、軍事関係の技術者や医者、研究者、鉄道関係だったりと、国に必要な役職についている人間。


風間の幼馴染の結婚相手は、後者だ。



「結婚して子ども生んで、母親になって。どんどん俺のことは忘れちまうのかなあ…。んでも俺、それでいいと思ってんだ」



こんなふうに言えてしまう風間が、俺の目にはどこか羨ましくも見えた。



「あいつがいつまでも健やかに笑ってるなら、それでいい。そのために俺は……飛ぶんだから」



俺は、飛ぶ理由が未だに分かっていない。

なんのために飛ぶのか、考えても考えても浮かばなかった。


国を守るため?
…ちがう。

天皇のため?
…ちがう。


たとえ身体が弱くとも兵士になりたかったから?

……ちがう。