1945年、君を迎えに行く。





ごもっともな意見に、うっと言葉が詰まる。

“マッサン”こと我妻 昌也(あがつま まさや)が一番、本音で話しやすい教師の1人だった。


今も何を熱心に研究して記録しているか不明な動きさえ、1生徒の私になぜか信頼を与えてくる。



「…にしてもとうとう国の教科書を疑ってくるとは。また随分と初歩的な疑問を抱いたな、花折(はなおり)」



ふと、パソコンに記入する動きを止めてまで問いかけてきた。



「これ、初歩的なの?じゃあそれってマッサンも同じ道通ったってことだよね?」



そばにあった椅子に座って、くるりと遊ぶ。

黒色で縁取られた眼鏡をくいっと触った白衣の教師は、なにかを慎重に調合しながら言ってきた。



「花折、きみは1度気になったら突き詰めないと気が済まないタイプだろ」


「うーん…そうなのかな?」



私のあっけらかんとした返事は、かえって良かったみたいだ。

「そろそろ教室に戻ったらどうだ」を言われないあたり、この先生も私の話を切り捨てる気はなさそう。