握手したでしょ、ちゃんと。
腰抜け、腑抜け、臆病者、唯一当てはまっているものは臆病者かもしれない。
あんたは臆病だ、すごく。
「っ!これ……、」
「…俺は、ぜんぶ知ってる。志緒が過去に何度か戻ったこと、そこで“俺”に……会ったこと」
目の前に出されたそれは、あったけど無くなったはずのもの。
ふたりでプリクラを撮ったあと、私は過去に行き、そして現代に戻ればあの日をまた繰り返した。
そのとき繰り返した1日で、私はあえてプリクラは撮らなかったのだ。
けれど、今、鳥海は持っている。
つまり戻ったはずの1日は、鳥海と私は戻っていなかったということ。
「あと……これもだ」
「………うん」
もう1枚差し出された、同じもの。
計2枚のプリクラを持っていた鳥海に、私のなかで納得した気持ちは確かなものだった。
これはあの時代で、飛べなかった青年に渡してきたものだろう。
それをちゃんと持って、きみは、この時代に来たんだ。



