『鳥海 隼人、17歳。…よろしく』
今みたいに右手を差し出して、初対面のくせにそうじゃない顔で私だけに特別な挨拶をしてきて。
「…は?」って、思わず言っちゃったんだよね。
「シフォンケーキ。…またいっしょに食べにいこ」
「………よろ、しく」
ぎこちなく交わされた、握手。
その瞬間、やっぱりかと、フラッシュが視界を覆った。
「なん…ッ、おいっ、どこに行くんだ…!」
「これっ、あげる…!友達のシルシ!!ちょっとしばらく遠くに行くかもだけどっ、そっちでもちゃんとあんたと友達してるから安心して…!!」
この時代にはぜったいに無いもの。
小さな写真が何枚も合成された一風変わった写真を渡して、私はイタズラに笑う。
だってこれで戻ったら、また戻る前の1日を繰り返すわけでしょ?
そしたらプリクラ、たぶん消えるから。
また撮りに行かないとダメじゃんか。
ああでも、杠さんのラブレターは渡さなくて済むのかな。
喫茶店はマスターが良い人だって分かったから、また必ず行こう。



