1945年、君を迎えに行く。





「腰抜け、腑抜け、臆病者。…ッ、俺だって本当は……、」



ぐっとこぶしを握りしめて、畳をひとつ殴った鳥海。


この時代のパイロットは、現代で言われているような平和なものじゃないはず。

軍事的な操縦者のことを指しているはずで、そこを卒業したら戦闘機に乗れるのかもしれない。


ここにいる鳥海は、そんな存在を目指していたのだろうか。



「ぜったい……、こんな病気治してやる…」



ゾクリと背筋が際立つ。

そんな顔ができたんだと、できるんだと、強い強い覚悟を胸に秘めている顔だ。



「…さっき、製薬所って言ってたけど。あなたは…薬を作ってるの?」


「…そうだ。薬の研究と開発をしてる」



それ以上聞きたいことは、なかった。



「これ…、目、つぶれてないよね…?」


「…平気だ」



近くで見るともっと痛々しい。


冷やすだけでいいわけがないと、私が問いかける前に。

近くの箪笥を指さしたのは怪我をした本人だった。