1945年、君を迎えに行く。





それから未来に戻ることはできず、気がつけば空は茜色に変わっていた。



「…ただいま」


「おかえり隼人……って、あんたどうしたんね!?その傷…!」


「…殴られたんだよ。いつものことだ」



ひどい……。


唇の横が切れているくらいなら、まだいい。

腫れぼったい左まぶたは、すでに内出血を起こして青色に変色してしまっている。



「鳥海っ、すぐに冷やさないと…!」


「…なんだよ、まだ居たのか。日が落ちる前には出ていったらどうだ」


「そんなこと言っとる場合かね!!ごめんよシオちゃん、この手ぬぐいを井戸で濡らしてきてくれるかい…!」


「わ、わかりました…!」



なんで殴られるの?
いつものことって、どうして…?

病気で兵隊になれなかっただけで、それだけで殴られてしまう世の中だっていうの?



「動かないで。…滲みるかも」



冷やした手ぬぐいを、そっと傷口に当てる。

ピクリと反応はされたが、どうにも痛みさえ通り越した麻痺状態になっているらしい。