1945年、君を迎えに行く。





「…ありがとう。でも、隼人以上にあの人がそれを受け入れられなかった」



そう言って目線を外した先。

たったそれだけで遺影に写った男性は彼のお父さんなんだと、すぐに分かった。



「どうしても息子を勇敢なパイロットにしたかったのよ、あの人は」



執着もだめね───と、終わったことを受け入れた彼女の眼差しは、すべてが儚く見えた。


そっか……。

彼女の本心はホッとしているんだ。


たとえ息子に病気を患わせてしまったとしても、兵隊になって戦争に行くくらいならと、母親としてホッとしている。

でも、そんな顔は誰にも見せてはいけない。
だからここまで私の目には儚く映るんだ。



「隼人はあんなこと言っていたけれど、居たいだけいてくれていいからね。ここは長野の外れの小さな村だもの。敵の飛行機も通り過ぎていくわ」


「……ありがとう…ございます」



ここはどの世界線なの。
前回のように過去ではあるけれど、ぜんぶ違う。

………わからない。


鳥海 隼人は、兵士にはなれなかったの…?

だったらあの場所の黒糖飴をくれた彼は、だれ…?