1945年、君を迎えに行く。





ここでも“もんぺ”だ。

地味な着物に合わせて下駄を履いた女性は、しゃがみこむ私の背中をそっと撫でてくる。


こんな母のような優しさを8歳から受けていなかった私は、心地よさのようなものを感じてしまった。



「おなか……いたくて…」


「見ない格好だけれど、都会から疎開してきた子かね…?」


「……はい」


「うち、すこし山を入ったところにあるから来なさんな。立てるかい…?」



すみません、と。
女性の腕を借りて立ち上がる。

安心を感じたからか、腹痛はわずかに和らぎ始めていた。


でもこのままひとりで彷徨うわけにはいかないから、ここは病人のふりをしたほうが得策かもしれない。



「大変だったろう?とくにここは空襲もあまりなくてね、だからこそみんなで助け合っていかんと。…空の軍神様たちがお国を助けてくださっているから」



驚いた。

私を助けて家まで案内してくれている女性が、切なそうに微笑んだ女性が、どことなく誰かの面影があったから。


うそ、もしかしてそーいうこと……?


鳥海に会えるんじゃなく、あれは鳥海に似た人に会ってしまうサイコロなの…?