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「─────……え…、前の場所じゃない……」
あたり一面に広がる木々と、田んぼに畦道(あぜみち)、周りを飾る赤茶色に染まった山々。
ぽつぽつと建ち並ぶ民家という景色を、ワープに成功した私は唖然と眺めていた。
ここはどこ……?
もしかして昭和20年じゃなく、もっと前に来ちゃった…?
「……これ、」
ふと、足元に落ちていた新聞。
《神風のごとく!レイテ沖にてアメリカ駆逐艦を撃退!!》という、大きな見出し記事。
「1944年……、10月…?」
何日かは、ちょうど破れてしまっていて見えない。
「1944年って……」
昭和19年。
1回目よりも前の時代だ。
しかし特攻作戦がすでに行われている。
特攻作戦は最後の手段だとネットには綴られていたわけだから、つまり戦況は悪化しているということ。
「本当に日本はこんなの、してたんだ……」
それにしても静かすぎる。
見るかぎり疎開場所に使われるような田舎町だとは分かるけれど、ここは一体どこなんだろう。



