うわ、この子けっこう見てる……。
そのうえで私に頼んでくるあたり、なにかの忠告のようにも思える。
鳥海 隼人は私が狙っているから手を出すなよ、と。
心配しなくとも間違ってもそんなことにはならないって、それだけは誓って保証するよ杠さん。
「わかった。渡しておくね」
「あっ、ありがとう…!」
あれからサイコロは、とくに何もない。
日が経つにつれて本当に夢だったかと、神隠しにでもあったのかもしれないと思う反面。
もう1度行けるなら行きたいと、馬鹿なことを考えてしまっている私もいた。
「ちょっと。このあとツラ貸して」
「……顔は貸すものじゃないな」
まさしくこーいうところ。
冗談通じないっていうか、1から10まできっちり伝えないと理解されないところ。
現代人とはかけ離れた男子高校生。
今ってね、略し言葉が常時だから。
「あー、そうだね」は「あーね」に略されるとか、ぜったい知らないでしょ?



