1945年、君を迎えに行く。





「あっ、花折さん…!」



やっと女子トイレから出られた今度は、控えめで震えた声に引き留められる。


彼女は同じクラスの杠(ゆずりは)さんだ。

クラスのなかでいちばん……名前が可愛いと話題の。



「どうしたの?」


「えっと、その……これっ」


「…手紙?」


「うん…。鳥海くんに……渡してもらいたくて…」



こりゃなんとも原始的な。

それもそうか。
あいつはスマホ持ってないんだから。


厚底な眼鏡をかけた杠さんは顔を真っ赤にさせて、私にお辞儀するように頼んでくる。



「…そういうのは自分で渡したほうがいいと思うんだけどな」


「っ、わ、私は……勇気、でなくて…。花折さんはいつも鳥海くんに声かけられてるし、鳥海くんも花折さんのことは名前で呼んでたり…。それに花折さんも鳥海くんを呼び捨て…してるから」