「てかさ、ちょーびっくりだよ」
「なにが?」
「今まで連絡先聞いてもぜったい交換してくれなくてさ。女に興味ないタイプなのかなって思ってたんだけど。そうじゃなくて、そもそもスマホ持ってないんだって!」
「はあ?イマドキそんな高校生いるわけないって」
本当なんだって!
鳥海、持ってないんだよ───?
と、聞いてしまった私は完全に個室から出るタイミングを逃す。
状況として見て、女子トイレの手洗い場の前で鏡と見つめ合うクラスメイト2人と言ったところか。
「それ、ぜったい遠まわしに振られてるだけよ。あんたに興味ないから、テキトーにそう言ってるだけでしょ」
「そうなの!?超ショック〜」
「当たり前じゃん」
なんとなく、本当にあいつは持っていなさそうだと私は納得してしまう。
いつも私に突っかかってくるわりには思い返してみても、メッセージアプリの話題にすらなったことがなかった。
それに、一緒にいるときスマホを出す素振りだって1度も見てないような…。



