1945年、君を迎えに行く。





「鹿児島と言ったら……知覧(ちらん)か」


「ちらん…?」


「あそこは陸軍の基地があり、飛行場があった場所だ」



じゃあ、夢のなかで出会った鳥海は陸軍兵士のひとりだったってことかな。

伏せたときの素早さとか、状況判断力とか、言われてみれば徹底的に訓練された何かを感じた。



「戦争を見る目は中立と、犯した結果ではなく事実を見ることだ。これができないなら後世を生きる我々が悪だの正義だのと語る資格ナシ。…ただそのサイコロはかなりの値打ちだろうな」



それはいやな会話に休止符を打つような、不安になるほどの話題転換。

信用していなかったはずの人間が問いかけてくるには、私としても戸惑う。



「えっ。高価なものってこと…?こんなサイズ違いのサイコロが?」


「僕の見立てによれば。…だから安易に出して扱うことはやめておけ」



そこは大丈夫だよ。

今時サイコロで遊ぶ高校生なんか、ぜったい居ないから。


言葉の深い意味を探らないように、とくに曖昧な返事をしておいた。