1945年、君を迎えに行く。





「……名前、聞いてもいいかな」


「…やっぱ鳥海だ」


「え?」



知ってるくせにあえて聞いてるんでしょ。

夢のなかだからって私が素直に優しくすると思ったら大間違いだよ。



「たぶん俺たちはここでは初めて…会ったと思うんだけれど。いやっ、もし俺のほうが忘れていたら…ごめん」



………論文、やっぱり書こうかな。

テーマは、『こっちの鳥海のほうがまだマシかも』



「…志緒」


「……しお、」


「花折…志緒」


「…ありがとう。俺は鳥海 隼人だ」



知ってるよ。

なんで夢のなかで改めてクラスメイトに自己紹介されなきゃなんないの。



「よかったら、これ」



取り出した小さな箱から、白い和紙に包まれた何かがひとつ差し出される。

小包を開いてみると、それは黒い粒の塊。



「……なにこれ。石?」


「ははっ。黒糖飴だよ。…もしかして苦手だったかな」



黒糖飴…。


名前で聞けば腑に落ちるけれど、わざわざ好きこのんで口にはしない。

飴だったらパインアメがいちばん好きだ。