「なぜ…俺の名前を?」
「…………」
どう答えればいいか分からないから、意識的にもスルーした。
あたりは静寂が包んで、しばらくすると付近から数人の足音。
「鳥海!どうやら間違いだったみたいだ、敵軍ではない!」
「女学生のみんなも仕事に戻ってくれ!」
そっと身体が起こされて、私は信じられない光景ばかりを前に視線を逸らす。
鳥海って本当に呼ばれてるし、顔もそっくりそのまま鳥海だし、当時の兵士の姿そのものだし……。
仲間たちも同じような身なりで、野球部みたいに丸く刈った髪型で、今日の夢はできれば2度と見たくないと思わせてくる。
「手荒くしてすまなかった。怪我はないか?」
「……ない」
「よかった…。君は…今日から配属されたのか?」
「…まあ、そんな感じ」
敬語なんかいらないよね、別に。
配属って何に?
そういえばさっき手伝って洗った洗濯物は男物の肌着だった。



