「こっちだ…!!」
この、背丈。
この声と、この後ろ姿。
どこか親近感があって、そして今では少しの懐かしさ。
「伏せろ…!!」
「っ、」
そばの茂みに一緒に連れこまれて、ガバっと私に重なるように彼もまた、お構いなしに身体を地面に伏せる。
………ちょっと、そんなふうにしたら制服汚れるじゃん。
土と甘い匂いが混ざった、よく分からない香りが真っ先に鼻先に届いた。
つぎに軍服。
枯れ葉のような黄土色に近いカーキ色は、たまに時代ドラマでも目にするかつての日本軍の象徴。
「……とり…、うみ…?」
なんで、あんたがここに。
いや、これは夢なのだから。
私の脳内が繰り広げている妄想の具現化でしかないのだから、登場してもおかしくない。
それに確か、そういう話をしていたし。
第二次世界大戦、大東亜戦争、特攻隊。
そりゃあ脳が覚えていれば、こんな夢を見せてくるのも必然だ。



