「今日バカ面白い夢見たんだよ。丸刈りのおまえが黒糖飴持っててさ、俺にくれたんだけど。夢んなかのおまえ野球部だったん?」
「知らん」
「で、どっちが好き?」
そんなに気になるのかと、ふっと、思わず吹き出してしまった。
「……選べないな」
黒糖飴も好きだ。
最近は食べていないが、小さい頃によく祖母と一緒に食べた思い出が蘇ってくる。
ははっと笑った志緒は、満足気にパフェを口に運んだ。
「なんか……そう言うと思ったわ」
そして続くように「お!」と、窓を指さす。
「見ろよ、でかくね?低くね?よっしゃ俺たちも来年乗れるよな!」
「よかったな志緒。うちの高校、修学旅行は京都らしい」
「………それ飛行機乗らなくね??」
ヴーーーーー……。
耳に残る飛翔音を発しながら空を駆けていく飛行機は、大きく、自由だった。
友人と走り、笑い合う毎日。
通学時間はスマホアプリでガチャを引き、SNSをチェックしては動画投稿サイトを一緒に見て腹を抱える。
生クリームを頬につけながら飛行機ひとつで子供のようにはしゃぐ親友に、どこかで使えそうだと企みながら動画モードに切り替えたスマホカメラを向けたあと。
「……消せよ。バレてんぞ」
─────笑った。



