暑さに負けじと声を張り上げる志緒。
俺はいつものことだと気にしない。
口調も態度も大雑把だが、こいつはいい奴だ。
小さな頃から何かあるたびに俺を守ってくれて、高校も偏差値の高い進学校に俺と入学するため必死に勉強してくれた。
なにが何でも俺と友達でいる───それが、花折 志緒という男だった。
「俺もおまえと居るのが一番楽しいよ」
「……きっもちわりぃ。やめろよ、だからおまえと俺はデキてんのかってクラスの奴らにからかわれんだろ毎回!!」
「はは。勘弁してくれよ」
「俺のセリフな?ふざけんな??だから浅田先輩と付き合えっつってんだろー。いや、ぜひ付き合ってください俺のためにも」
駅前の自販機横、ちょうど飲み終わったペットボトルをゴミ箱に入れて、志緒は吐き捨てる。
小学生の頃もこんなふうに言い合いながらも、放課後はどちらかの家でゲームや公園でキャッチボールをしたものだ。
「おいっ、ちょうど来てる!電車電車!!走れって隼人…!!なにボサッとしてんだよクーラーが目の前にあんだぞ!!」
「…なら、浅田先輩とは付き合わなくてもいいか」
「いいっ!!いい!なんだったら俺に譲れ…!!ぶっちゃけそっちが本心っ、いーから来いよッ!」



