────シュンッッ、ドテッ!!!
「いったぁ……、なに……もう、」
やっと重力が戻ってきた。
体感としては15秒くらいだったけれど、ずいぶん長くも感じた。
あれ……?
「……どこ……、…なにここ」
山。
よりも、一言で言うなら、深い森の茂み。
あまり遠くない場所から聞こえる川の流れる音と、すぐに肌を冷やした寒さに身震いが起きた。
6月特有の湿気を含んだ今さっきまでの空気と、何か、どこかが違う。
………言うなれば、違和感、だ。
「なんで私……外にいるの…?」
夢……?
にしては匂いも肌触りもリアルすぎる。
さっきのあの初めての感覚は何だったんだろう。
身体が重力を忘れたような、あの感覚は。
「ヤエちゃん〜、あと何枚あっとー?洗っても洗ってもぜーんぜん終わらん!!もうっ、つめたっっ」
「仕方なかよ!これがウチらの仕事と!」
「え〜、そろそろ休憩してよかじゃなかとー?」
「そげんばっかゆっちょったら、また怒られても知らんからね!」



