1945年、君を迎えに行く。





「おまえは…向こうの、おれ…ばかりで…。この世界の歴史を見たって……ぜんぶ、兵士になった奴を称えて…俺のようななり損ないの人間は…、評価も、されない…」


「そんなことない…、ないよ、」


「……おれは……もう…、死ぬんだ…」



私のほうが先に呼吸が止まりそうになる。

ヒュッと詰まりそうになって、まるで雪崩のように崩れた奥から「そんなことない」という否定が微かに息をしている洞窟。



「俺が生まれた、意味は……、なんだったのかなあ…っ」



くしゃりと歪ませて、瞳からは止めどない涙。

彼が流す初めてを見た瞬間だった。


死にたくないと、消えたくないと、なにかに縋っているようにも見えた。


存在意義が分からない。
自分という存在そのものが、わからない。

それは孤独だらけの暗闇の出口を、懐中電灯さえないなかで手探りで見つけるようなものだ。


その出口すら塞がっていることを知らずに。


むしろ出口そのものが本物ではなく、洞窟の水たまりが映し出した幻影に過ぎない無慈悲な暗闇。