1945年、君を迎えに行く。





「俺はまた…上官に殴られてしまうな」


「…かもね。でも、未来に行けばぜんぶ大丈夫だよ」



もう逃げていい。
もう、戦わなくていい。

そんなことする必要はない。


あなたが飛んでも飛ばなくても、日本は負ける。


国を守るために大切な尊い命を捨てる理由なんか、どこにもないよ。



「志緒。未来は……明るいか?」


「うん。明るいよ。空に飛行機が飛んだとしても怯える人間なんか日本にいない。むしろ小さい子は喜ぶくらいだよ」


「…そうか」



心に刻むように微笑んで、鳥海は私の頬を静かに撫でてくる。

すでに止まった涙の跡をなぞるように。



「こんな涙は流さなくていい国に…なってるんだな」


「…うん」



私に任せて。

大丈夫、どんな世界になったとしても私はあなたを尊重するし、あなたの味方でいる。


きっとすぐ慣れるよ。

スマホさえ触れないのに未来に生きている高校生もいるくらいだから。