「いっしょにっ、いくの…!」
「志緒…」
「私…っ、ぜったい鳥海の手を離さないから…!」
なにかを持ち帰れる保証はないし、今までも試したことはない。
けれどやったことさえ、ない。
それならやってみるのもひとつの手だ。
こんなにも過去を変えて関わっているのだから、時空の歪みはそこに対抗しに来るだろう。
「だから鳥海…、私といっしょに来てくれる…?」
時間を狂わせる。
運命に、神様に逆らう。
夢想的で絶望的な歪みの調整を1度経験した私は、向こうにいる隼人にも顔向けできなくなる。
“隼人”を選んでここにきて、私はまた“鳥海”のために世界を壊そうとしているんだから。
……最低だよ。
でも、この人をここに置いていきたくない。
「未来に……私と来てくれる?」
「……いきたい」
頼りない私の手が、まだ完全とは言えなくとも凛々しさのある手で包まれる。
この手は今までどんな苦悩を乗り越えてきたんだろう。
この手は、なにを守るために機体を操縦していたんだろう。
その手が寄りかかる先に私を選んでくれたというなら、喜んで受け止める。



