1945年、君を迎えに行く。





「それは…どんな人、ですか」


「…素直じゃないときもあるけれど。とても度胸があって可愛らしい…俺には勿体ないくらいの…、俺が知らない世界をたくさん見ている女の子、かな」



その会話が逆に迷いを固めてしまったように、鳥海は優しい空気と爽やかさを保ちながらも敬礼をした。



「名誉ある特別攻撃隊の兵士として、堂々と任務を遂行して参ります」


「───……」



この人は生きなくてはいけない、とか。

この人を死なせたくはない、とか。


可哀想だから、病気だから、助けたいから、未来に連れて行くことが正しいなんて言い訳じみたことはもう、言わない。


一緒に生きたい。

彼の人生の先を、まだ見たい。
この人と、生きたい。


そっと動画を閉じて、スマホもポケットにしまう。



「行こう…鳥海」


「…そうだな。そろそろ、」


「未来に。いっしょに行こう」


「…………」



口のなかで溶けてしまったパインアメ。

目の前の軍服を咄嗟につかんで、「行かないで」を訴える。


行かないで。


この時代では許されない言葉だとするなら、私は違う方法を使うよ。

私にしか使えないものを、使えるだけ使ってやる。