1945年、君を迎えに行く。





「好きな食べ物は…甘い物、なかでも黒糖飴が好物であります。苦手なものはありませんが、…いや、酸っぱいものが些(いささ)か苦手であります」



現代にはない眼差し。
現代にはない姿勢、声の張り、機敏さ。

現代の若者が忘れてしまったものを彼はすべて持ち、否、身に付けなければいけなかった。



「…堅すぎるよ」



その一言で肩のちからが抜けたように、ふっと和らぐ。


どちらかといえばこういう表情を撮りたかったんだ。

18歳らしい、同年代の女の子につつかれて照れくささを感じているような笑顔。



「初恋は…いつですか」



うかつにも聞いてしまった。
いいや、聞きたいと思ってしまったから。


質問には答えなければいけないという彼の生真面目さを逆手に取った、それはそれはズルい手法だった。


画面のなかの瞳が面を食らったように静止画になって。

ふわりと、熱く伸びる。



「…初恋は……今です」



くんっと、切なさと苦しさに心が揺れた。